夏が終わりに近付くと心配になるのが台風ですね。
近年は台風だけでなく「記録的な豪雨」など台風以外でも甚大な被害を及ぼす自然災害が頻発しています。
普段公共交通機関を利用して通勤・通学している人にとっては、こういった自然災害で交通機関が麻痺してしまうと致命的です。
会社によっては、いくら自然災害とはいえ遅刻扱いされてしまい給料やボーナス、成績に影響されてしまうところもあるため踏んだり蹴ったりですよね‥
そんな時、「遅延証明書」を発行してもらい会社に提出すれば遅刻扱いされない可能性があるというメリットがあります。
※あくまで可能性なので、ご自分の勤務先に確認されることをオススメします。
今回は
- 遅延証明書のとり方
- 台風で遅刻した時の扱い
- 台風時の通勤で注意すること
について具体的に紹介していきたいと思います。
台風などで遅刻したときの扱いは?
台風などで公共交通機関がストップしてしまい、会社に行きたくても行けない‥という場合などで遅刻した場合、どのような扱いになるのでしょうか?
会社によってその扱いは様々で、日給月給制の場合は注意が必要です。
日給月給制はノーワークノーペイという原則があり、法律上では会社に責任がない限り「働いていない時間」は給料が出ないという決まりがあります。
そのため、会社は遅刻分については賃金は支払う義務がありません。
たとえ遅延証明書を提出したとしても、「電車が遅れただけで過失ではない」という証明に過ぎず、ノーワークノーペイの原則に則り賃金が支払われない可能性もあるため、勤務先に問い合わせてみましょう。
完全月給制を採用している場合は、遅刻・欠勤による賃金控除がないため、台風の影響で遅刻をしても給料カットはされません。
また、会社の就業規則に「天変地異により出勤することが困難な場合は交通遮断休暇を与える」などの規定が定められている所もあるため、就業規則をチェックしてみましょう。
台風で遅刻した日に残業した場合、残業代は出るの?
例えば8時~17時までが定時の会社で台風により遅刻して10時に出社したとします。
遅刻した事で予定していた仕事が終わらず19時まで仕事をした場合、定時以後の2時間については残業代が支給されるのでしょうか?
原則では残業代は仕事をした時間が法定労働時間である8時間を超えた場合に支給されるため、例のように10時~19時まで働いた場合は8時間を超えていないので残業代は支給されません。
遅刻欠勤や残業代については会社が任意で決定できる部分でもあるため、就業規則を確認しましょう。
台風で通勤方法を変更した場合の交通費は?
台風で電車がストップしてしまったから遅刻しないようにタクシーやバスをやむを得ず使ったり、台風が来ると分かっていたため前もって会社の近くに前泊した場合など、普段と違う通勤方法を使った場合、その差額分は会社が負担してくれるでしょうか?
結論から言うと、各会社の判断になります。
労働基準法などでも交通費の算出方法を定める法律はないため、それぞれの会社判断に一任されています。
一般的な常識で言うと、通勤は一番安い手段を使うことが求められていますので、前泊する場合やタクシー等を使う場合は前もって会社に連絡し、普段とは違う交通費を使っても会社に出社してもよいという許可が出てから判断しましょう。
遅延証明書はどこでもらえる?
電車の遅延証明書は以下の手順でもらうことができます。
- 駅の改札口で配られている
- 自動改札機で発行する
- 該当路線の窓口で受け取る
もし受け取り忘れてしまっても、改札で駅員さんに乗車券・定期券などの乗車を証明できるものを提示すれば後から受け取ることができます。
遅延証明書がもらえる期間は?
鉄道会社によって遅延証明書がもらえる期間が違います。
受け取り忘れをしないために、余裕を持って取りに行きましょう。
鉄道会社名 | 遅延証明書をもらえる期間 |
JR東日本 | 当日を含め最大45日以内 |
小田急線 | 当日を含め最大7日以内 |
東京メトロ | 当日を含め最大35日以内 |
JR九州 | 当日を含め最大30日以内 |
JR西日本 | 当日を含め最大45日以内 |
遅延証明書は何分遅れたら発行される?
遅延証明書はどれくらい遅れたら発行されるのでしょうか?
主要な鉄道会社の発行基準を調べたところ、以下のようになっていました。
・JR東日本……JR東日本の対象路線でおおむね5分以上遅れたもの
・小田急電鉄……小田急線の運行が5分以上遅れた場合に発行
・京王電鉄……京王電鉄の社線に5分以上の遅延時間が発生した場合に発行
・西武鉄道……西武線の運行が5分以上遅れた場合に10分単位に切り上げて発行
・東武鉄道……5分以上の遅れが発生した場合に10分単位に切り上げて発行
・京成電鉄……5分以上の遅延時間が発生した場合に発行
・東京急行電鉄……5分以上の遅れが発生した場合に発行
・京浜急行電鉄……該当路線の運行が5分以上遅れた場合に発行
・東京メトロ……5分以上の遅延に対して発行
・都営地下鉄……5分以上の遅延が発生した場合に発行
運行時間帯によっては遅延証明書が発行されない場合もありますが、遅延証明書がほしいのは主に通勤時間帯だと思われるため、基本的には5分以上遅れたら遅延証明書が発行されるとおぼえておくといいでしょう。
遅延証明書をWEB上で受け取る方法
各鉄道会社のHPでは「遅延証明書」を掲載していますので、交通マヒで混雑しているなど遅延証明書を受け取る時間がない場合はHPから入手しましょう。
ただし遅延証明書をもらいたい人でアクセスが集中し、一時的にアクセスできなくなる可能性もあるためなるべく改札口などでもらっておきたいところですね。
バスでも遅延証明書が発行されるの?
遅延証明書というと電車のイメージが強いですが、バスの場合でも発行されることがあります。
こちらもバス会社によってことなるため、バス会社に問い合わせる事が必要ですが、以下の方法で遅延証明書を入手できることがあります。
- FAXで送ってもらう
- 郵送してもらう
- 営業所や案内所で直接発行してもらう
まとめ
台風などの自然災害時でも休めないのが会社勤めの悲しい現実ですが、遅刻したいわけではないのに公共交通機関の麻痺で遅刻してしまった場合に遅刻扱いにならないように遅延証明書のとり方を紹介しました。
基本的には駅の改札や窓口で発行してもらうのが一番ですが、同じように遅延証明を欲しい人で混雑することが予想されるため、ホームページで発行するなどご自分が普段使っている路線のホームページを一度確認してみましょう。
また、遅延証明書を取らなくても遅刻扱いにならない可能性もありますので、台風で混乱する前に一度勤務先に確認することをオススメします。
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